いつから物事に対する見方がある程度固まってくるのだろう、と考えることがあります。
小さい頃はそれこそいつかおとぎの国への入り口も見えるような気持ちでいたし、明日はどんなことがあるかわくわくしていました。大きくなってからも、思春期はまだまだそういう気持ちは続いていたし、夢や憧れが現実より強かったように思います。
学生になってからも、お互い様々な土地から出て来た友人達と知り合い、日々そこでも夢を語り合うという、なんとも幸せな毎日を送っていました。
では今は無いか?といえばそうでもない。やはり夢想したり憧れを持っている。ある日突然どこかの知らない場所へ行くことになり、そこでどのくらいかわからないが生活する。言葉はどうしよう、食べ物は美味しいか、子供の学校は?友達はたくさんできるだろうか、そんなことを真剣に考えたりするのです。
そんなことを考えながら、描く絵には、やはり見たことのない街や人々(時には生物)が描かれていたりします。
「旅するように暮らしたい」と言った友達がいます。実際にも旅好きですが、人生そのものが旅のようなものにしたいのだそうです。
私たち家族も旅の途中にこの街に立ち寄っただけかもしれない。次の街に移動する時には新しい記憶をインプットされてまるでそこに昔からいたように暮らす。まるでSFの世界のようですが。