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意図するもの

日曜の朝にグラフィックデザイナーである佐藤卓さんのお仕事を日曜美術館(NHK教育:朝9:00〜、再放送は夜20:00)で見る機会がありました。
松屋銀座で行われている「LIFE アール・ヌーヴォーのポスター芸術展」についてコメントをされながら、佐藤さんのデザインプレゼンテーションの様子も紹介されていました。
それはあるブランドの広告ポスターについてのプレゼンだったのですが、広告の意図やそのあまりのシンプルなデザインに思わず唸ってしまいました。

佐藤さんのデザインは、ロッテの「キシリトールガム」「クールミントガム」や明治乳業の「明治おいしい牛乳」など、私たちの日常生活に関わるものがたくさんあります。
普段私たちはそれらを創った人のことなど考えたりはしません。それでも日常に有るものはほとんどがデザイナーの手によって文字や色や文章、時には写真の配置を緻密に計算され、他社製品と区別すべく静かな戦いをし、そして滑らかに生活の中に溶け込んでいる。
佐藤さんは0.1ミリ右か左かというデザイナーのこだわりが、デザインの中には生きていると言います。それは一見どうでもいいことのようですが、実はそうでもないのです。人間の感覚の中には、無意識に気持ちのよい安心する配置があるのです。もちろん製品が売れるのはそれだけではありませんが、私たちが普段使うもの(作られたもの)は必ずそういった意図が隠されている。

時々手に取ったパッケージにデザインをした人の思いを感じることがあります。
誰にも気づかれず、表に出ることもなく、ただこつこつと的確にとらえて商品を世に送り出す。生産され続ける限り続く作業でもあります。そこにやはり思わず唸ってしまうのです。
そうそう佐藤さんのHPもやはりとてもシンプルなものでした。
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ある日、夏も終わりというのに空を見上げたらまだまだ夏だよ、というように太陽も青い空もぎらぎらしていました。
デザインにはその向こうにひとの存在が必ずあります。絵画の場合必ずしもそうとは言えないのですが。

*日曜美術館で紹介されていたポスター展と磁器の展覧会をご紹介します。
松屋銀座8階大催場(そのあと巡回で名古屋 松坂屋美術館へ)
 会期:8月25日(水)〜9月6日(木)
 「LIFE アール・ヌーヴォーのポスター芸術展」ポスター誕生 パリジャンの心を盗め!
 ミュシャやロートレックなどアールヌーボー黄金期の画家たちのポスター画が見られます
NHK日曜美術館

サントリー美術館(東京ミッドタウン ガーデンサイド;月曜休館)
 会期:2010年8月11日(水)〜10月11日(月・祝)
 「誇り高きデザイン鍋島」
 その大胆な構図や色使いに江戸時代にもデザイナーがいたのだと驚かされます
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by kayos_handmade | 2010-08-30 11:42 | illustration

生きるということ その1

出産を経てからというものすっかり大食漢になってしまった私。
一日5食(しかも食事を少しずつに分けるといった量ではなく)という日もよくあります。
食べても食べてもすぐにお腹がすく。自分でも不思議です。
同じ年の子供を持つ近くに住むお友達に聞いてみるとやはり同じ答えなのです。それだけ育児は重労働だということなのでしょうか。妊婦だった頃、病院では食事制限をしたり色々と注意をしてくれたので食事にも随分気をつかっていました。しかし出産後は思い切り食べても誰も何も言いません。
食べるということに対して愚鈍になっているのでは?と不安がよぎりました。
今日も仕事をしているといつの間にかお昼。何にしようか悩んでいたのですが、何かガツンと食べたい。そのバリューは単に肉の脂なのか量なのか。とりあえず落ち着いておにぎりを3個にぎりながら考えました。
自分の中に何かとてつもないいやしんぼの怪獣が住み始めている。そしてそれは妄想のようにどんどん膨らんで大きくなっている!
ふと息抜きにお昼を食べながらそんな姿を描いてみました。
食べたくて食べたくてたまらない怪獣。しかし手も足も短いため、高いところの果物が届かないし、遠くまで食べ物を探しに行けない。手はごつごつしてうまく物も掴めない。ペンでかりかり、「ああ、水木先生ならこんないい加減なペン入れはしないなあ」など考えながらできたのはなんだか、かえるの出来損ないのような生き物。

かつて同じクラスに加藤君というイラストの達者な人がいました。彼の描くお化けや怪獣が異空間にわんさか、でもユーモラスで漫画ちっくな風情があってとても気に入ってました。そのことを話すとパネルに描いた絵を気前よく譲ってくれました。
加藤君は卒業後、静岡の有名な某車メーカーのカーデザイナーとなったようですが、今でもあの異空間のイラストを描いているでしょうか。今は手元に無くてとても残念です(引っ越しのときに誰かにあげたのかも)。

絵を描く、それも実際にはないものを紙に映し出す、という作業はどこから沸き上ってくるのだろう。いつも不思議に思います。
そして食欲もどこからともなく湧いてくる。食事と食事の合間にそれは着実に。
うちの子供が大きくなったらこの絵を見て何を思うのでしょう。
おにぎりをゆっくり食べて、そしていつものようにコーヒーを入れて私の猛烈な食い意地は少し落ち着いたのでした。
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写真のおにぎりを載せたお皿は那覇の牧志にある「久高民芸店」で購入したもの。
置いてあるうつわや雑貨がかっこよく、とても好きなお店です。沖縄に行くと必ず寄ります。
コーヒーカップは先日も書いた、大分の若い作家さんのものです。
*久高民芸店:http://basho.ti-da.net/e2397552.html
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by kayos_handmade | 2010-08-27 13:28 | illustration

作る・造る・創る、ひとびと

とある好きな作家さんのサイトを見ていると、そこにまた別の作家さんのURLがあったりして、
辿って行くと更に素敵な作品の数々に出会うことがあります。

昨日も届いたばかりの本に載っていた作者のサイトから、別の刺繍作家さんのブログへ。
小さくて綺麗な刺繍の作品がたくさん。
思わず手作りの素晴らしさを紹介したく↓こちらにURLを載せてみました。
http://stella-syndicate.asablo.jp/blog/

有名・無名と、ほんとう無数の手作り作家がいる、ということに改めてため息が出る。
その中から自分のフィーリングに近い作品を探すのは至難の業ですが、それでも時々こうして偶然好きな感じの素敵な作品に出会える作家辿りの旅は楽しいものです(まれに美味しいおやつに出会ったりもします)。

私の作品たちもどこかで全く知らない誰かが見ている、そう思うと気を抜けないなあ、いい絵を描きたいなあ、と思うのでした。
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by kayos_handmade | 2010-08-25 13:27 | illustration

うまいもの

朝・昼・晩のご飯。皆さんは一日のうち、どれが一番大事な食事でしょうか。
朝晩は子供と一緒なので、自分が食べたいものというよりも子供が食べたそうなもの、食べやすいものなどを選んで、さっとできるものや一品でも栄養が取れるものなど簡単に作っています。
そのかわりお昼は自分一人だけなので、自分の好きなものを食べることが多い。
大体仕事の合間に作って食べるせいか、パンやサラダ、時には簡単カフェ風飯、丼ものなどが多いのですが、時々息抜きを兼ねて彩りのよいものや食べたいものを食べることもあります。
いつもは忘れている、その食物を作った人の顔やうつわの作者のことを考えたりしながら、コーヒーを豆を挽いていれたり。

最近、近所の農家のおうちへよく行くようになりました。
そこのブルーベリーは甘くて大粒。毎回ジャムにしようと買って来るものの、ついつい生でぱくり、そうしているうちに半分になり、ついには2、3つぶになりジャムにはとうとう出来ずじまいです。
先日、子供と遊びに行ったときに買った分をようやく半分ジャムにしました。が、レモンを入れ忘れてジャムというより固い飴状になってしまいました。
せっかくのブルーベリーが台無し・・とがっかりしたのですが、食べるとそれでもやはりおいしい。うまいものは失敗しても大丈夫!という変な自信がついたのでした。
そこのお宅では烏骨鶏も飼っており、いつか卵も買ってみよう、と思っています。

今日のお昼はイワシのオリーブオイルソテーと蒸し野菜にレモンをかけたもの、それとコーンパン、ヨーグルト(ブルーベリージャムのせ)でした。イワシは塩こしょうで味をつけたものに粉をつけてソテー、野菜は蒸しただけ。味付けはシンプルなのが好きで、レモンやすだちをかけたり、香味野菜を入れて変化をつけます。

ジャムを入れているうつわは以前大分に行ったときに紹介していただいた若い作家さんのもの。
そして箸置きは沖縄のガラス作家、おおやぶみよさんの量り売りしていたオブジェです。
ちなみにパンをのせたお皿は大橋歩さんのイラストで、もう10年以上使っている大のお気に入りです。
「気に入ったもの」に入っている「うまいもの」はまた格別なのです。
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「ガラス 日月」
沖縄県中頭郡読谷村渡慶次273
金土日 休(ほか臨時休業あり)
10:00-17:00
以前沖縄に行ったときに、宿泊したホテルの近くにあった工房へ
行ってみました。
誰かのお家にお邪魔したようなそんな中で展示されているガラスのうつわたち。まるで棚から時々出して実際に使っているような、そんな雰囲気があります。
先日、世田谷のギャラリー「夏椿」でも展示会がありました。
http://blog.goo.ne.jp/smaikchuy36/e/355e537c8b2b8a75efa0811c459abf76
http://www.oz-okinawa.com/gs_y.html
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写真は工房のカードですが、電車のイラストは私がこの箸置きを買っている間に子供のために主人が描いたもの。
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by kayos_handmade | 2010-08-24 13:56 | たべもの

子供の夏休み

子供の頃、どんな夏休みを過ごされました?
田舎の親戚の家に行ったり、映画を見たり、学校のプール、夏祭りに友達同士で初めて行ったり。
人それぞれに様々な思い出があると思います。
私は町のお祭りに参加していた小学生の頃が一番思い出深いです。昼と夜の2回、3日間町の中を練り歩きます。大人の人が大きく、そしてとてもりりしく頼もしく見えたお祭りの夜。終わるとそれぞれの子供の親たちが神社に集まっていて、おやつや西瓜、おにぎりなどの食べ物を少し貰い、少しだけいつもより夜遅くまで外にいる。それはそれはとても特別の夜で、終わって次の日の昼間に片付けをするときに本当に寂しくなるのでした。
子供なりに短い夏を惜しんでいたような。

うちの子供は今地元のお祭りやプールにちょっとずつ参加をするようになりました。そして去年とは違い、子供なりに楽しんでいるようです。
あっという間の夏休み。暑い日は続くけれど、風がもう次の季節を連れてきているよう。
秋はもうすぐそこまで来ているのかもしれません。
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「束芋 ててて」
August 5 - September 11, 2010

以前横浜トリエンナーレで初めて見たのですが
平面なのに立体になっている、不思議な感覚の作品でした。
ときにお名前の「束芋」とは田端家の妹から来ているのだそうです。
Googleで検索するとものすごい数の作品画像が現れてきました。

銀座「GALLERY KOYANAGI」
http://www.gallerykoyanagi.com/
〒104-0061
東京都中央区銀座1-7-5 小柳ビル8階
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by kayos_handmade | 2010-08-17 22:08 | 家族

遠き日

学生の頃、陶芸部に所属していました、というと土まみれでろくろを回して、作品もたくさん作って、というところですが、例にも漏れず私は幽霊部員のような存在。楽しいイベントには嬉々として参加し、うちに現存する作品と言えば鱗のような模様のへんてこなご飯茶碗くらい。
今も陶芸は好きだけれど、私は自分で作るよりもよその人の素晴らしい作品を見ている方が楽しいのかもしれない。
今でも陶芸の作品を見て回るのは好きだし、時々手に取って実際に購入したりもします。

久しぶりに美術手帖を見ると、私の好きなアーティストが絵画や立体作品から、現在はセラミックアートへ移行していました。新しいジャンルへ移り変わるとき、考え方見方も大きく変わる、記事を読んでそんな風に感じました。
さてそのインタビュー記事の中にこんなアーティストの言葉が。
「寒さに震えながら薪をくべて夜を明かして、語り合ったり」
それは私が学生の頃に過ごした日々と同じものでした。
今、50歳をこえてもなおそんな体験をしている人がいる。そして今でもそういうことができるのだと改めて気づいたのでした。
私にもそんな50代は訪れるのでしょうか。
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「ルーシー・リー展」
古い時代のようなものや、フォルムの何とも言えない美しいモダンなデザイン。残念ながら東京での展示は終了ですが、現在回顧展が益子で開催されています。
*益子陶芸美術館 8月7日(土)から9月26日(日)
http://www.lucie-rie.jp/
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by kayos_handmade | 2010-08-03 16:15 | illustration

線と面

みなさん、お気に入りのイラストレーターや絵描きさんはいますか?
私は画面から色彩が溢れるような荒井良二さんや、どこかずしんとした重さを感じつつもユーモラスな原マスミさんの絵が好きです。

荒井良二さんはずっと前から名前を知っていたものの、どんな絵を描くのか全く知りませんでした。
ふとしたことから色々な場面で荒井さんの作品が私たちの生活のちょっとしたところに出てきているのを知りました。
NHK教育で時々放映される子供向けのアニメーションがその一つで、子供が描いたような溢れる色彩とダイナミックな筆遣いは絵本で見るのと同じように輝いています。
先日、小伝馬町にあるギャラリーで作品展がありました。仕事の都合で行けなかったのですが、後日青山ブックセンターで発売になったばかりの作品集を見て改めてその迫力に感激しました。行けなくてほんとうに残念。代わりにといってはなんですが、絵本を2冊購入しました。詩人・長田弘さんの文章に荒井さんの描いた絵の「森の絵本」と作絵ともに荒井さんの「たいようオルガン」。もちろん子供と一緒に読めます。

原さんは、数年前に都立目黒美術館で開催された絵を初めて実際に見たとき、背中をどんっと叩かれるような気持ちになったのを覚えています。
それぞれの絵の主人公たちには静かな物語があり、それは扉を開けるとそっと私たち観覧者に見せてくれる。
自分では思いつかなかった色の組み合わせ、でもとても好きな感じの美しい色合い。寂しげな、物悲しいようなモチーフ。
自分にもこんな狂おしいような部分があるのだろうか、と改めて自身を振り返った時間でした。

他の作家の作品を見ていつも思うことは、その人の心の裏側や、ある側面には必ず見せたくない反面、表に出したい、吐き出したい、そういう思いがあるということ。それは決して人に見せたいというのではなく、本当にどうにもならず吐き出したい、そういう部分なのではないでしょうか。

以前好んでよく描いていたのは線画です。ある人から言われたのがきっかけで、色を用いるようになりましたが、それまでは0.1ミリのロットリングで描いた細い線の絵ばかりでした。
今でも気に入っていない訳ではないのですが、どちらかというと色も出したい気持ちがあります。
これはそんな気持ちが起こるずっと前のもの。
線は私の指先からペンに伝わり、気ままに画面に現れる。そんな歌うように出来てきた作品です。

今回からおすすめのギャラリー情報をのせることにしました。
場所は限定されてしまいますが、お時間がありましたら足をお運びくださいませ。

*FOIL GALLERY(東京神田)
http://www.foiltokyo.com/gallery/exhibitions.html
若い現代作家を中心に展示しています。最寄駅は小伝馬町か馬喰横山。
近くには素敵な古民家カフェあり。
http://www.momicafe.com/

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by kayos_handmade | 2010-08-02 11:33 | illustration